2017年11月、12カ国目のエジプト旅行5日目。
アスワンから向かったのは青い秘境村。
そこは青い村と呼ばれる絶景のヌビア村。
待っていたのは凶悪な顔のクロコダイルと人生初の水タバコ……ゲェホゲホッ!笑
優雅なナイル川クルーズに旅情を抱きつつ、いざ向かうのは神秘的な夜のベールに包まれたコムオンボ神殿。
夜の帳が下りた古代遺跡に迷い込む快感。
暗闇に染められたアラビアンナイトの世界で待つ……冒険の夜明けのその先へ!
もくじ
エジプト【カイロ】海外旅行記
エジプト旅行5日目のエピソード
1.船に乗ってアスワンの秘境へ!現地の原風景
アラブの魔法にかかってしまったのかな?!
……目覚めるとそこは豪華絢爛な高級ホテル。
いや、ここはホテルではなく実はクルーズの中なのです。
客室付きだから一応はホテル……ですけどね!笑
さて、今日は青い村と呼ばれるある村に向かいますよ!
エジプト旅行でもあまり知られていない秘境。
エジプトに来る前に情報収集はしたけれど……。
青い村があるなんて聞いていなかったよ。
同じアフリカなら、モロッコにシャウエンという青い街があるけれど、それとはまた違う青い村なのだとか。
ナイル川にドンッと浮ぶのが、僕らが2泊3日というクルーズツアーで乗船しているコンシェルト号です。
……んで今乗っているのは小さな船。
これからこの小舟で青い村に向かいます。
緑色に塗られたタイヤから冒険の匂いがしてくる!笑
ただ、小さな船ほど揺れるから酔い止めは必須かも。
クルーズツアーでは酔い止めを持参しましょう。
冒険心が焦げ付きそうだ!
あぁ……こういう小さな船での旅ってのも良いですよね。
ブオォォオオという音で全身を震わせながら、吹き抜ける風を感じつつ向こうに見える砂の楽園に思いを馳せる時間。
まだ見ぬ絶景が待っていると思うと、それだけで心臓がジリジリと焦がされていく感覚になってきませんか?
自分の知らない世界を旅するのはそんな楽しさがありますね。
しばらく船で進むと見えてくるアスワンで暮らす人々の家。
エジプト旅の中で見た建物の中でも、趣があって素敵な家ですね。
こういう現地の人の営みを見ながら旅をするのも、海外旅行の醍醐味だと思います。
洗濯をしている姿や掃除をしている姿、そういう何気ない生活の中には日本と違う光景もたくさんある。
それを拾い集めていくのもまた楽しい。
船はそのままゆっくりゆっくり進む。
旅するキャラバンの姿も!
船から砂の大地に目を向けると……んんん?
砂漠の急斜面を登っていく旅団を発見。
サラサラの砂に足を取られながらも、器用に登っていくところを見ると現地の人なのだとすぐにわかります。
それにしてもどこに向かうのだろう。
あの山の向こうにオアシスでもあるのかな?
この絵になる風景をもうちょっと見つめていたい。
砂に照り返す太陽が心も身体も焦がしてくれる。
恋い焦がれてしまうような風景に好奇心が火傷しそう。
……どんぶらこ……どんぶらこ。
水を浮かびながら眺める目の前には砂岩や草木。
エジプトは訪れればわかる、色彩がとても美しい国。
訪れる前のエジプトの印象といえばただの砂色世界。
それでも、自分の足で踏みしめてみるわかる。
この国は鮮やかな色に包まれているということ。
ただ、エジプト旅行の目的は世界遺産のピラミッドとアブシンベル神殿だけだったので、ハイライトは終わってしまった。
青い秘境村って言っても……あまり期待できないのでは?
2.青く美しいヌビア村へ!クロコダイルと水タバコの嗜み
……な、なんだこの青い村は!
ポコポコした丸い屋根の建物が並ぶ、ここはヌビア村。
エジプトの古代建築の一種であるオベリスクには「KATTODOOL」という謎の文字。
カラフルに彩られたこの村は、今まで見てきたエジプトの建物とは違う雰囲気があり、言うなればリゾートのよう。
一体ここでどんな日常が流れているんだろう。
期待していなかったけれど、目の前の景色に心が躍る!
未知を知るのも旅の醍醐味ですよね。
太陽のようにキラキラした笑顔!
桟橋から上陸すると地元の子供たちが大集合。
お土産を売りたがる子も多いけれど、観光名所にいるギラギラした顔の物売り商人たちとは雰囲気が全然違う。
こんな素敵な笑顔ができるなんてきっと心も綺麗なんだろうね。
今の僕にはこんな笑顔なんて到底できない。
いつから笑えなくなったんだっけなぁ。
日本にいるとこんな笑顔はできないかも。
海外旅行はいつも何かを考えさせられるね。
……さてさて、今は感傷に浸るよりも観光を楽しみましょう!
ガイドのワエルさんが村の古民家を案内してくれるそうです。
現地の生活はどうなっているのかな。
そんな期待に胸も青く染まっちゃう。
旅は青春そのもののような気がするんですよね。
こうやって世界に触れて楽しむ青臭い大人の青春。
ワクワク感やドキドキ感が詰まったものこそ海外旅行なのかなって……アオハルも全開!笑
ちょ……ワニおるやんっ!
観光客に向けて飼っているのか、それとも食べるのか。
いや、そもそもこれは売り物なのかもしれない。
その真意はわからないけれど、こんな普通の古民家でワニを飼っているというのが信じられません!笑
現地の生活がどんなものなのかという疑問は早くも崩壊。
そんな疑問はワニに食べられちゃいました。
クロコダイルの赤ちゃんなのかな?
こういうのを見て「キャー」と青ざめる人がいますが、この凶悪な目と不気味な身体……ポケモンみたいで僕は好きです。
……青が埋め尽くした不思議な空間。
ここだけ砂漠のエジプトから切り離されたような空間。
壁が青く塗られていて、まるでここに住む人がオアシスを求めて作ったかのような場所です。
こんな村がエジプトにあったなんて感動です。
現地の人もまったりと座っていて気持ち良さそう。
壁には砂漠に広がるオアシスが描かれていますね。
……そうか!このヌビア村こそが砂漠のオアシスだったんだ!
おしゃれで可愛い青い村!
この村は建物自体が迷路のような構造。
どこにどの道が繋がっているかわからない。
でも、太陽の光を反射して輝く青い村はなかなかの絶景。
ちゃっかりお土産なんか置いているところを見ると、エジプトの商魂はそのまま受け継いでいることがわかります。
でも、ここでは物売りが無理に売り込んでこないので、他の観光名所に比べても快適かもしれませんね!笑
ツアーで立ち寄るということは……つまりはそういうこと。
快く自分の家を見せてくれるということは……そういうこと!
入り口にいた小さなワニとは比べ物にならないほど巨大なクロコダイルの迫力、腰の骨もどこかに吹っ飛んでしまうほどの気迫。
……なかなかの巨体でバッチバチの貫録を放つ姿にへっぴり腰。
「ドンキーコング」に出てくるキングクルールみたいな顔。
威風堂々と横たわるクロコダイル、でもちょっとメタボ気味なのはきっと運動不足だから……僕と同じですね!笑
ただ、こんな怪物と戯れたら絶対に死んでしまう。
……にも関わらず、ガイドのワエルさんは「ここでワニと遊べるよ」なんてニコニコしながら言いやがる……正気の沙汰じゃねぇ!
あっ……小っちゃかったわ!
さっきの大きなクロコダイルと戯れるのかと思ったら、まさかのワニの赤ちゃんを抱っこするだけでした!
ひんやりした身体に、ザラザラした皮膚。
灼熱のエジプトではちょうど良い心地良さの保冷剤。
そうか……このワニの身体こそがオアシスだったのか!笑
コポコポコポォォ……。
人生初の水タバコに悪戦苦闘しながら挑戦。
吸った時の音がポップでコミカルなポコポコ音。
力強く吸わないといけないから、どうしてもこんな感じの顔に!笑
写真写りを気にする人は注意だけど、SNS映え間違いなしなので、身体を汚しても良いという人は挑戦してみては?
水タバコの感想ですが、これは美味しいです!
タバコってよりは葉巻に近いかもしれません。
味よりも香りが強く、何より吸うのが楽しい。
香りを楽しむ贅沢品……中毒になってしまいそう!笑
水タバコは奢侈品としてはおすすめですね。
ただ、身体に害がないなんて意見がありますが、それは本当なのかどうかわかりませんので注意してください。
そもそも大きいから邪魔になること間違いなし!笑
建物の屋上から眺める景色。
良い意味でエジプトらしさがない。
壁は青や白だけれど、屋根は色を塗っていないところもあるなど、そこはあまりこだわりがなくて、なんとも村っぽさ満点!
ナイル川を見ながらの暮らし……なんて素敵なんでしょうか。
僕もこの村が大好きになりました!
家の中を見せてくれた現地の人。
こんな仲睦まじい親子を見ていると、本当にここでの暮らしが幸せなのだというのが伝わってきますね。
触れ合うほどに好きになる人たち。
便利なだけが幸せではありません。
この村は少しくらいは不便かもしれません。
でも、きっとここに住む人の心は豊かなのだと思います。
騙されてはいけない。
濁されてもいけない。
見失うのはもっといけない。
……本当の豊かさというもの。
エジプトは砂漠の国ということもあり、青はオアシスの象徴。
だから、この村の人々は街を青色に染めた。
まるで砂漠に湧く美しい水のように……。
砂漠を彷徨う旅人やラクダを連れた旅団、他国から来た商人が本物のオアシスを見つけられる場所。
決して蜃気楼なんかじゃない砂の楽園。
それこそがヌビア村なのではないでしょうか?
この村には観光用と思われるラクダも!
おしゃれな装飾されているところを見ると、ヌビア村をラクダに乗って散策するツアーとかもありそうですね。
タクシーやバスがない代わりにラクダがあるのかも。
……だとすればこんなにも素晴らしい乗り物はないですね!
次はもっと長く滞在したいなと思います。
ここでまったりと滞在してみれば、エジプトのことをもっともっと好きになれそうな気がする。
アスワンの秘境村、そこは美しさと豊かさに溢れる青い村だった。
そんな素敵な村を後に見つけたのは奇妙な岩の遺跡。
煉瓦のように積み重なった建物とそこに突き刺さる像のお尻のような岩が……たまらんっ!
象のケツ……コホンッ!
象のお尻を眺めながらヌビア村の絶景の余韻に浸る。
船があるところを見ると、クルーズツアーもありそう。
ちなみにヌビア村への行き方は船がマストです。
観光で訪れるのなら、現地ツアーへの参加が安心。
アクセス状況が悪いので、添乗員付きツアーで周遊してしまうというのが一番おすすめかもしれません。
3.ついに出発!クルーズからの眺めとティータイム
ここにもワニが現れた!笑
ヌビア村の観光が終わり、しばしコンシェルト号で休憩。
……それにしても本当に青い村だっ……ん?!
まさかヌビア村から抜け出してきたのか。
そんな冗談はさておき、コンシェルト号ではこういうベッドメイクの小粋なサービスがあるんですよね。
これが象になったり鶴になったりするらしい。
日本人のおもてなしの心を持つ遊び心とサービス精神。
これも添乗員付きツアーだからなのでしょうか。
ん~~っ……気持ち良い!
夕方になって涼しくなってきたのでクルーズのデッキへ。
船の上を撫でるようにナイル川の風が通り抜けていく。
連日観光尽くしだったので、優雅なクルーズの旅をゆっくりと楽しみましょうか。
太陽も沈みかけて、景色が黄金色に染まっていく。
本当にエジプトは豊かな色を見せてくれる国。
何千年も昔の人々が見た景色と同じ景色を、今僕もこうやって見ていると思うと感動もひとしお。
時代が変わったとしても、ここで見られる景色はこの先も変わらないでいてほしい。
優雅なティータイムはいかが?
ティーカップ片手に遠くの景色をぼんやり眺める僕。
こういう自分と向き合う時間が海外旅行の醍醐味。
旅をしている間は、考える時間も無限にある。
忙しい毎日だと自分と向き合うことも忘れてしまう。
そんな時こそ、世界を旅して向き合ってみて。
本当の自分が求めているものは何か見えてくるはずだから。
贅沢なティータイムを終えて部屋に戻る僕。
その最中、聞こえてきた悪魔の誘惑「ヤスイヨヤスイヨー」の声。
……出たなっ!
エジプト名物、馴れ馴れしいお土産屋のおっちゃん!
「カワイイカワイイ」となぜか褒められる僕。
可愛いといえば良いと思ってやがる……それが通用するのはマダムたちだけだということを教えてやろうかね!笑
「Can I use Japanese yen?」
日本円しか持っていなかった僕はそう聞いて、まだ見ぬ珍しいものがないかどうか物色してみることに。
そして結局また買っちゃうっていうね!笑
案外、エジプトは商売上手が多いのかもしれない。
4.神秘のアラビアンナイト!黄金遺跡コムオンボ神殿
アラビアンナイトの世界!
やってきたのは遥かな歴史を超えるコムオンボ神殿。
砂漠の夜に輝く黄金の遺跡に思わず目が釘付け。
思い描いていたアラビアンナイトの世界が目の前に!
ここまで風化せずに残る遺跡の残骸は貴重。
ここはかつてプトレマイオス朝の時代に建設されたもの。
コムオンボ神殿は希少な二重神殿となっていて、他の遺跡とはまた違った特徴を持っているそうです。
暗闇の遺跡探訪へ!
それではこの夜の帳が下りた神殿を探索しましょう。
ライトアップされているとは言っても、足元が悪いので観光の際には十分注意して歩くようにしてくださいね。
このコムオンボ神殿は大きな支柱が何本も連なっており、それが遺跡全体を支えている構造となっています。
圧倒的なまでのサイズ感は歩く度に足元からじわじわと伝わってくるほど。
遺跡内部には貴重な壁画も残っています。
あの絶世の美女として知られるクレオパトラのレリーフもあるということもあり、暗闇の中で探し回るのも良いかもしれませんね。
ちなみに写真の壁画は古代エジプトの場景が彫られているそうで、それぞれのシーンごとに意味があるのだとか。
これが解読できれば、よりエジプト旅行は楽しくなるかも!
古代エジプトに思いを馳せながら、夜の遺跡をただただ歩く。
暗闇がそうさせるのか、まるで時間が止まったかのような場所。
摩訶不思議なアラビアンナイトに迷い込む時間は、さながらアラブの「アリス・イン・ワンダーランド」ですね。
……巨大な穴を発見!
ここは井戸のような場所?
でもナイル川沿いにあるこの場所で井戸は必要なのかな。
もしかしたらもっと違う目的の場所かもしれませんね。
コムオンボ神殿は古代エジプト時代のコムオンボという町に作られた神殿だと言われています。
そのため、ここでの生活のために必要だった遺産も多く残っているそうです。
コムオンボ神殿にはクロコダイル博物館もあります。
ここはワニのミイラを展示している博物館として有名。
通称クロコダイルミュージアムと呼ばれ、観光名所でもありますね。
内部は写真撮影が禁止なのでそこは要注意。
ただ、貴重なクロコダイルのミイラも展示されており、人間のミイラとはまた違った迫力を肌で感じることができます。
鬼気迫る不気味なミイラ、その勇猛な姿は一見の価値あり。
5.エジプトの硬貨!ステラビールで乾杯
こ、これが……!
エジプトの現地通貨は紙幣がメインなのですが、たまに硬貨があるということでずっと探していました。
そんな中、今回ツアーで一緒だったおじいさんが「ガイドさんからもらったよ」ということで僕にも譲ってくれました!
僕は現地のコインを集めるのが好きなのでこれは嬉しい!
しかも、このコインにはツタンカーメンの黄金マスクが描かれているというエジプト好きならたまらないコイン。
これだけでもお土産になりますね!
美味しいバイキングに大満足!
こんな豪華な食事が食べられて幸せですね。
それにしてもコンシェルト号のビュッフェはレベル高い。
エジプト料理がすべてこうだとは言わないけれど、どれも美味しいです!
ゴキュッゴキュッ……くうぅぁああぁあ!
渇いた喉に突き抜けるステラビールが美味い。
まるで地下労働100年を終えて初めて飲んだのかってくらい美味しい!
今日はエジプトの中でもマイナーな観光名所巡りでした。
ただ、青い村と呼ばれるヌビア村は古き良きエジプトの生活を見ることができたし、何よりオアシスのようなその街並みは絶景でした。
クルーズでの夕焼けも贅沢すぎて僕にはもったいないくらい。
夜に浮かぶ黄金のコムオンボ神殿も絶景そのもの。
まだまだアラビアンナイトは終わらないけれど……とりあえずおやすみなさい!笑
まとめ
エジプト5日目はヌビア村でオアシスを満喫した1日。
そこにあったのは現地の人々の溢れんばかりの笑顔。
エジプトのどんな村とも違う神聖な空気が漂う場所。
初体験だった水タバコは大人の嗜好品……ハマりすぎることなかれ!
夜のコムオンボ神殿はまさにアラビアンナイトの世界。
暗闇に浮かぶ黄金の遺跡は幻想の世界のよう。
幻想に包まれる遺跡の冒険はまた新たなエジプトの一面を見せてくれたような気がします。
明日は古代の神殿を巡る怒涛の旅へ。
エドフ神殿にカルナック神殿、ルクソール神殿などの神殿珍道中。
さらには王家の谷を訪れ、ファラオたちの痕跡を追う!
ハトシェプスト女王葬祭殿では奇妙なエジプト人にも遭遇。
……古代の謎を解くために神殿の謎に迷い込め!