2019年2月、17カ国目のニュージーランド旅行5日目。
世界遺産を目指して荒涼とした山を駆け回る。
山影でかくれんぼしながらのんびりハイキング。
ゆっくりと差し込む太陽、肌に染み込む温もり。
……吊り橋を越えて……木道を抜けて。
その先に見える世界遺産マウントクック。
絶景という言葉が風に乗って舞い上がる。
そんな絶景の自然に別れを告げて次の目的地へ。
そこで待つのは世界遺産登録を目指す星の空。
マウントジョンにて星空観測ツアーに参加。
……テカポ湖を包み込む星空は世界遺産に相応しい絶景だった!
もくじ
ニュージーランド【クイーンズタウン】海外旅行記
ニュージ―ランド旅行5日目のエピソード
1.魂が眠る慰霊碑!朝焼けのフッカーバレー
光が差し込む山道をハイキング!
早朝、ホテルのアクティビティディスクに集合。
本日はフッカーバレーの半日散策ツアーに参加。
ガイドはマウントクックで住み込みで働く日本人女性。
山影から顔を覗かせる太陽が眩しい。
ひんやり全身を包む空気を肩で切りながら登山。
目的地はフッカーバレートラックの途中まで。
すうぅうぅ……はぁあぁぁ……!
新鮮な空気で肺が満たされて気持ち良い。
大自然に囲まれた山の麓のキャンプ場。
こんなところでキャンプしたら最高だろうな。
いつか海外1人キャンプなんてのもしてみたい。
雄大な景色を眺めながら料理して読書して……。
限りある時間を贅沢に使って満喫するキャンプ。
……だ、誰か一緒にキャンプしませんか?笑
しばらく歩いていると何かが見えてきた。
目を凝らしてみると詰まれた石のようなもの。
キャンプ場から徒歩15分ほどで到着した場所。
ここはかつてマウントクックに挑んだ勇敢な登山者たちの慰霊碑がある高台で、アルパインメモリアルと呼ばれる場所です。
石を積んだ慰霊碑には掛けられたネームプレート。
マウントクックは時に壮麗で、時に残酷な山。
人を魅せ人を喰う大自然の驚異を肌で感じる。
ちなみにこの周辺には展望台もあり、標高3,151mのマウントセフトンが目の前に……その猛々しさたるや氷の鬼ヶ島!
フッカーバレートラックには高山植物の数々。
ここにしか咲かない花もあるかもしれません。
足元で力強く咲く、その姿もまた風情あり!
2.ゆらゆら揺れる山影の吊り橋
……吊り橋効果を狙うならここ!笑
もし付き合う前の男女がマウントクックを訪れるのなら、ここで吊り橋効果を狙うなんてのもありなのかもしれません。
しかし、今回の同行者は腐れ縁の旧友ミンタ。
男同士で吊り橋を渡ったところでロマンスがあるわけもなく、むしろ渡れるかどうかのチキンレースが始まるだけなので注意。
吊り橋効果を狙うならカップルで!笑
山の影になって何も見えねぇなっっっ!
吊り橋に立ち塞がる顔面蒼白のチキン野郎。
思っていたより肌寒くてゾンビみたいな酷い顔。
後ろから徐々に迫る揺れを背に記念写真。
なお、吊り橋の上で立ち止まるのは危険。
写真を撮るなら数十秒で支度して終わらせな!笑
ギーコギーコ……ギイギイ……ギコギコ。
第一吊り橋を越えて第二吊り橋も超えて。
人の動きに合わせて吊り橋もゆらゆら揺れる。
風が吹くとそれに揺られてさらにゆらゆら。
足元はどうなっているのか気になって下を覗く……って高所恐怖症の人は絶対真似しないでくださいね!
こんなところにオレンジ色の木の実があった。
見た目的にはグミの実に似てるけども……。
さすがに海外で謎の実を食べる気にはなれず。
みなさんが毒見してくれるなら食べますけどね!笑
3.清らかな水の音!マウントクックへ続く山道
清々しい水の音を聞きながら!
川のせせらぎに耳を傾ける贅沢な時間。
背中に熱を帯びつつ、山道をゆっくり歩く。
太陽が昇って次第に色づき始める草木。
空気が美味しすぎてもうお腹いっぱいよ。
もう慣れてしまっているけれど、改めて日本では見られない風景の中を歩いているんだと思うと不思議な感覚に陥ってくる。
あんなに遠かったマウントクックも目の前に。
ぼんやり霞むアオラキ、マウントクックの絶景。
「これぞ世界遺産」という存在感が凄まじい。
それはここ一帯の大自然を統べる王者の風格!
世界最高峰の山々と比較すると標高自体は高くないですが、登頂難易度が非常に高い山として登山家から恐れられている存在です。
名だたるアルピニストが山頂を目指すも、その多くが途中下山を余儀なくされている氷河と岩の魔城。
……整備された登山道は1本もないのだとか。
標高2,000m以上は氷河帯、生存不可能地帯。
氷河の雪解け水が奏でる音が気持ち良い。
天然のろ過装置で磨かれた水は透明度抜群。
空気なんじゃないかってくらい澄んでる!
清らかに流れる清流に乗って瞬く光の川。
ちなみにガイド曰くここの雪解け水は不純物が少なくて綺麗なので、飲料水として飲んでもまったく問題ないほどなのだとか。
確かに、水筒に汲む人たちの姿もちらほら。
ただ、生水なので長期保存はできません!
フッカーバレー半日トレッキングはここまで。
この先に進むためにはもう少し時間が必要です。
もっともっとのんびりとマウントクックの大自然を楽しみたいなら、終日トレッキングツアーなどに参加するのがおすすめです。
それでも十分すぎるほどの絶景に大満足。
曲がりくねった木道に響く足音もまた一興。
先を歩く旅人たちを見送って、僕らは途中下山。
……っとその前にここで記念撮影!
この風景と一緒に写真を撮らないとね。
なお、顔色悪いのは気にしないでください。
遡ること数分前、実は木道で転倒しまして……。
その直後ということもあってこんな顔なんです!笑
はぁあぁぅ!芽吹くぅぅうぅう!
ジブリ映画「もののけ姫」のラストシーンを彷彿とさせる光景が目の前に……この自然は人間が守っていかないといけませんね。
この景色だけはずっと変わらずにあってほしい。
サンみたいに逞しくて優しくて美しい姫。
どこかにいるなら一度は会ってみたいなぁ。
まずはアシタカのような本物の男前になろう。
……そう決意したチキン野郎の背中です!笑
青空に向かって命を茂らせる草木を眺める。
ここマウントクックは不思議な植物も多数。
高山植物を眺めながら登山を楽しむのも醍醐味ですね。
なお、植物を切ったり折ったりするのは厳禁。
ニュージーランドは環境保護に重点を置く国だと思われていますが、実は動物などもすでに絶滅してしまった個体がいます。
こんなにも美しい自然……守れるのは人間だけ!
グゴゴゴゴゴゴゴゴ!
静まり返った冷涼な山が雄叫びをあげる。
この音は氷河が崩れ落ちる音なのだとか。
運が良ければ崩落する氷河の滝が見られるかも!
事実、フッカーバレートラックを歩いていると時折、遠くから腹の奥底まで響くような骨太な轟音が聞こえてくる。
でも、氷河が崩れて大丈夫なのでしょうか。
地球温暖化で崩れやすくなっているのかな。
それはさながら自然が泣き叫ぶ声にも聞こえた。
すれ違う人たちと挨拶をするのも山の流儀。
今しがたすれ違った老夫婦も素敵な人でした。
歳をとってからも仲良く一緒に歩けるのって、もしかしたら一番素敵なことなんじゃないかな……いつまでも仲良しでいてね!
でも、ちょっと軽装すぎやしないかい?笑
外国の人って本当にどこでも薄着だなぁ。
もうそろそろこの場所ともお別れです。
次なる目的地に向けてそろそろ行かないと。
最後にやっとフッカーバレートラックの看板。
キャンプ場のすぐ近くなのでわかりやすい。
いつかここに戻ってくる時はキャンプしよう。
4.ほっぺが崩落!絶品のサーモンベーグル
氷河の如くほっぺも崩落!
昼食はホテル併設のカフェ&バーでゴチ。
景色が良いサーエドモンドヒラリーカフェ&バー。
それにしてもここのサーモンベーグルが絶品。
ふわっとしたブレッドに新鮮な野菜とサーモンが挟まれていて、口の中でとろけ合う……ニュージーランドで一番美味しい!笑
物価がそこそこのニュージーランドにしてはお得な値段だったし、ボリューム感もあってトレッキングにもぴったり。
むしろこれを買っておいてハイキングに行くのもありですね。
短い間だったけれど、お世話になりました。
ハーミテージホテル(Hermitage Hotel)に別れを告げて出発。
それにしても自然が大好きな人にとってはたまらないホテルだと思うので、マウントクックを訪れる方はぜひぜひここを!
次の目的地はメインディッシュ!
世界一美しい星空が見られるであろう場所。
一体どんな星空が待っているのか。
5.テカポに到着!お腹破裂するスーパー飯
うんうん……ホテルの部屋が激狭っ!笑
やってきたのは星空が有名なテカポ。
ここにあるテカポ湖は世界で最も美しい星空が見られる場所として知られ、世界遺産登録を目指しているところなのだとか。
今夜の宿はレイクテカポヴィレッジモーテル(LAKE TEKAPO VILLAGE MOTEL)なのですが、ベッドも1つしかないよ。
これはまたそっち系の人だと思われたなぁ?笑
シーリングファンもカタカタと歪んでる。
天井からプロペラ落ちてきて身体が切り刻まれないか心配ですが、フロントのおじいちゃんが良い人だったので大目に見ましょう。
モーテルの外観はこんな感じとなっております。
いかにもモーテルらしくてこれはこれで良い。
旅といえば昔からモーテルと相場が決まっているんです!笑
テカポにある大型のスーパーマーケット。
ワーキングホリデーしていた友達に写真を見せたところ「こんな大きな店はなかったよ」とのことなので、最近できたのかな?
入ってみると冷房がガンガンで頭もガンガン!笑
南半球の2月は季節が逆なので真夏です。
日本でいうところの8月みたいな気温。
冷房が効いた店でしばしの買い物タイム。
……さてさて、夕飯は何にしようかしら。
ほーい……スーパー飯を買ってきました!
テカポのスーパーマーケットにはこの手のお惣菜が安く売られているので、貧乏な僕らのような節約旅には嬉しいですね。
このボリュームで6.75NZDなんだからお得よねぇ。
でも、このボリュームは正直舐めてました。
大きなピザが2ピースにチキンが3ピース。
……真夏のクリスマスパーティーかよ!笑
ぼんやりと赤く染まる窓からの景色!
モーテルからの眺めはこんな感じ……微妙。
新しいホテルを建設中ということもあり、目の前は工事現場が広がっていて、とても景色を楽しむなんて風情はありません。
6.マウントジョンの夜空!テカポ湖星空観測ツアー
さぁ、今夜も星空を捕まえに行きましょう。
頭の先から空に目をやるとそこには満天の星。
ピントが少し甘いですが……絶好調のキャンパス!
幽寂な夜空に無限に広がる星空。
宇宙の果てまで見えてしまいそうなほど。
キリリと冷えた空気でほっぺが赤くなる。
やってきたのはマウントジョン天文台。
テカポの星空を観察できる現地ツアーに参加する場合は、このマウントジョン天文台かコーワンズヒル天文台のどちらかがおすすめです。
すでに無数の星々が広がっており、空を切る流れ星の姿も!
ツアーではガイドが詳しく星の解説をしてくれる他、実際に望遠鏡から宇宙の一部を覗くなんてこともできちゃいます。
これはかなり貴重な体験ではないでしょうか?
自分の背中と星空の合作!
星空撮影はなかなか難しいですねぇ。
本当は頭まで入れたかったのですが、撮影してみたらこんな感じに……これじゃあテカポに現れる首無し騎士じゃないか。
でも、山から眺めているからなのか頭上ではなく目の前に星空が広がっていて、本当に宇宙に来てしまったかのような錯覚。
ここは誰もが宇宙飛行士になれる場所。
……幻想の星空と石造りの教会!
これ……これを見るためにここに来たのです。
テカポ湖のほとりにある善き羊飼いの教会。
テカポといえばこの教会と星空が有名で、海外から訪れる観光客もこれを目当てにしている人がとても多いのではないでしょうか?
付近の石を集めて建造された趣のある教会。
今目の前にしている世界はまるで絵画の中。
幻想的な雰囲気と相まって感動してしまいました。
これは絶対に世界遺産に登録すべき場所です。
本来、世界遺産の目的は「その場所を保護する」という観点もあるため、この星空を守るためには登録も必須ではないでしょうか。
実際に世界遺産に値する景色がここにあります。
チキンジャーニーの僕も世界遺産登録を応援します!
まとめ
ニュージーランド5日目は登山と星空観測の1日。
マウントクックを眺めるフッカーバレーは、半日登山するだけでも十分に満喫できるほど雄大な自然に癒される場所でした。
サザンアルプスを構成する山と氷河の力強さは圧巻!
テカポではこの旅のメインディッシュを堪能。
ニュージーランドの星空といえばテカポ湖。
幻想的な夜空は世界遺産登録に最適な絶景でした。
明日はテカポで人気の日本食レストランへ!
その後、クライストチャーチに向かいます。
南島巡礼の旅もそろそろ終わりへ。