2018年6月、14カ国目のトルコ旅行4日目。
古代の遺跡が横たわるエフェソス遺跡観光へ。
そこは古代ローマ帝国の世界が広がる世界遺産。
エーゲ海を背に繁栄を極めた古代港湾都市は、かつての世界三大図書館や世界七不思議として数えられる神殿が残る神聖な場所。
そこにあったのは激動の時代に翻弄された遺産の数々。
古代ローマ人が使ったであろう奇妙な形のトイレも。
古代の歴史を読み解きながら歩く僕の前にはケルスス図書館と娼婦の館……そこには切実な情欲を抱えた秘密の通路があった!
もくじ
トルコ【イスタンブール】海外旅行記
トルコ旅行4日目のエピソード
1.ファッションショーに出演!昼食はギョズレメとチョップシシ
トルコの空は広かった!
トルコはアイワルク、今日は最高のコンディション。
空の向こうに続く世界は日本の空よりずっとずっと広く見える。
今日向かうのは世界遺産の古代遺跡。
かつて古代ローマ帝国が建造した海岸の要衝。
トルコ西部の都市イズミルを抜け、そこからセルチュクへ。
添乗員付きツアーだと移動も楽ちん。
まずは目的地まで数時間の大移動となるため、この旅をのんびりと味わうことにしましょう。
いきなりファッションショー開幕!
イズミルまでの道中に立ち寄ったのは革製品の店。
高級ブランドを扱っている店で、商品の売り込みだけでは飽き足らずにファッションショーを開催するというおもてなし。
ブランドに興味がない僕にとっては退屈な場所。
ツアーは便利で楽なのですが、どうしてもこういう店が日程に組み込まれてしまうというのはネックかもしれませんね。
……ただただ甘い紅茶を飲みながら時間つぶし。
しかもショーに参加させられるという恥辱。
おそらく人生最初で最後のランウェイ。
ただ、モデル業界とは無縁の僕にとっては、今後一生縁のない貴重な体験だったことは間違いありませんね!笑
ぐもぉっっ……!
虚無僧のような顔のままトルコ西部をドライブ。
なお、トルコ周遊の海外ツアーに参加するのなら覚悟しておきたいことが1つだけあります。
それはとにかく移動時間が長いということ。
2時間3時間なんてのは当たり前です。
長ければ4時間~5時間なんてこともありますし、6時間以上移動するということもありますね……今日も今日とてもう昼食の時間。
こればかりは周遊海外旅行の宿命かもしれません!
もちろん流れる景色を眺めるのも素敵な時間。
移動に関しては甘んじて受け入れよ……ん?
目の前に現れたのはとてもじゃないけど甘くはなさそうな苦笑いが貼り付いたオレンジ色の怪物。
ちょっと不気味だけどここはちゃんとしたレストランです!笑
出てきたのは代表的なトルコ料理、ギョズレメとチョップシシ。
世界有数の小麦の産地であるトルコでは、小麦粉を使った料理と肉を入れた料理がたくさんあります。
このギョズレメはトルコの定番料理の1つ。
触感はパリパリのトルティーヤやクレープみたいな感じ。
かなりパサパサしていて口の中の水分が干上がっちゃいます!笑
串に刺さったチョップシシもトルコ名物の代表料理。
肉質がカチカチで顎が壊れそうだけど味付けは美味しい。
でも、これなら自分で選んだ店で食べた方が美味しいかも。
2.世界遺産エフェソス遺跡!古代の仰天トイレ事情
やってきました!
2015年、世界遺産として登録された古代都市エフェソス遺跡。
ヘレニズム時代から始まり古代ローマ時代に最盛期を向かえたこの地には、繁栄を極めた古代都市の残骸が残っています。
トルコ語ではエフェス遺跡とも呼ばれており、現地で流通するビールの名前などにも使われていることで知られていますね。
歴史と文化の両輪で観光客から人気を集める古代の一大貿易港。
地殻変動など地形の変化で海からは離れていますが、かつてはエーゲ海の要衝として繁栄した場所でもあるのだとか。
ちなみに見えているのはヴァリウス浴場です。
古代ローマ人はテルマエと呼ばれる浴場が大好きで、温泉が大好きな日本人とも似ているところがあるかも。
さてさて、熱々の太陽を浴びつつ歴史の渦にタイムスリップ!
ここに広がるのは崩壊した古代都市。
「何もないなぁ」と思うかもしれませんが、注目していただきたいのは地面の中に埋まっている古代の水道管です。
古代でも人々の生活インフラがちゃんと整っていたことがわかりますね。
最盛期には約10万人もの人々が暮らしていたとか。
だからこそ入念な都市計画が進められていたのかもしれません。
ちなみにここは約2000年前で止まっている場所。
古代ローマが最も栄えていた時代の遺物の数々。
まるでタイムスリップしたかのような錯覚に陥りますね!
歴史の風を肌で感じながら遺跡内を観光。
その先に見えてきたのが勝利の女神ニケのレリーフです。
かつてはヘラクレス門を飾るアーチ部分の装飾として使われていたそうですが、現在はこちらにて展示されています。
保存状態が良く、彫刻の細かさに目を奪われますね。
なお、スポーツ関連商品を扱うNIKEの由来でもあるとか!
うわぁぁああぁあ!
これがエフェソス遺跡のメインストリート。
延々と続く遺跡群に囲まれたクレテス通りです。
エジプトやメキシコで古代の古代文明遺跡を訪れましたが、トルコに残されているこの絶景も見事としか言えません!
保存状態の良さも相まり、そこはまさに古代遺跡の青空美術館。
奥までずっと続くクレテス通りを眺めていると、当時暮らしていた人々の営みが浮かんでくる。
通りを歩く人に客引きする人、買い物を楽しむ人に仲間と談笑する人、戦争の傷をテルマエで癒す人。
遥か昔に生きていた人々の賑わいを今ここで感じる。
クレテス通りを進むと見えてくるのがこちら。
ここは皇帝トラヤヌスのために建設された泉です。
通称トラヤヌスの泉と呼ばれ、かつては美しい水で満たされていたそうです。
数千年後の今でもその面影が残っている……ロマン!
つくづく実感するけれど、僕は古代のロマンに弱いんですよね。
貴重な歴史の遺産を眺めていると妄想も爆発。
こちらは皇帝ハドリアヌスのために作られたハドリアヌス神殿。
保存状態がかなり良好で、彫刻の隅々まで鮮明です。
装飾には女神ティケや神話に登場する怪物メドゥーサも彫られており、芸術としての価値も高いです。
クレテス通りにはこのように邸宅や神殿、浴場、泉などの跡地が並んでおり、未だに全盛期の活気を帯びています。
歩けば歩くほど古代に連れ去られてしまうような感覚。
あの大人気漫画原作の映画「テルマエ・ロマエ」の世界が目の前に横たわっていて……視線も釘付け!
これはメデューサの仕業でしょうか?笑
奇妙な穴が開いたこれはなんだ!
そう、お察しの通りこれは古代の公衆トイレなのです。
約2000年前のトイレか……これはこれで面白い!
ちなみに古代のトイレにも関わらず水洗式だったとか。
もしかすると世界で一番最初の水洗式トイレかもしれませんね。
当時は雑談したり、リラックスしたりする憩いの場だったと言われています。
この穴にパコッと座って用を足すわけですね。
ただ、これだと他の人に丸見えじゃない?
プライバシーも何もあったもんじゃねぇなっ!
女の人は良いかもしれないけれど男の人はアレをどうするんだ。
立ってするならまだしも座ってするなら指で下に押し込むのかな。
いやいや、屈強な古代ローマ人たちのアレは下に押し込めるほど小さくはないだろうし……うん、この話はやめよう!笑
とにかく奇妙なトイレなのさ。
ウォシュレットがあったらもっと良かったのにね。
ガイドが冗談っぽく「トイレする?」と聞くけれど、これも立派な世界遺産の一部なので絶対にダメですよ!
3.ケルスス図書館と娼婦の館!古代ローマの円形劇場
……ロマンがすぎる!
これはロマンがすぎますよっ!
遺跡マニアの僕としては舐め回したくなるほどの美しさ。
ここがまだ生きた町だった頃に訪れてみたかったな。
そこはきっと賑わいに満ちていたに違いありませんね。
世界三大図書館の一角!
クレテス通りの象徴、それがケルスス図書館。
紀元117年に建築されたとても美しい図書館です。
別名、セルシウス図書館。
同じくトルコのペルガモン図書館、エジプトのアレクサンドリア図書館と並び、古代の世界三大図書館と称されるそうな。
こちらには1万冊以上の書籍が保管されていたそうで、正面にある4体の像は知恵・運命・学問・美徳の寓意像として飾られています。
暑さで身体はドロドロに溶けてしまいそうですが、この図書館は果てしない時間の流れにも微動だにしない。
エフェソス遺跡を訪れるならケルスス図書館はマストスポット!
そんな図書館と同じ通り並んでいたのが娼婦の館。
知恵を蓄える場所と性欲を解放する場所が同じ通りにあるなんて……一体古代ローマ人はどういう思考回路をしてるんだ!
しかも利用者は未婚者だけではなく既婚者もいたとな。
愛する人がいながら別の人に癒してもらうなんて、なんて不埒な!
さらに図書館と娼婦の館は地下道で繋がっていたのだとか。
「ちょっと出かけてくるわ」
「こんな夜遅くにどこへ?」
「あぁ……ちょっと図書館で調べものをね」
「あまり遅くならないようにね」
図書館に行くふりをして実は色欲がとっぷりと充満する館を訪れていた……なんてことが古代ローマ帝国で実際にあったのかな。
下半身に渦巻く欲望はどんな強国よりも強し……なのかも!笑
ちなみにこの近くに娼館の看板もあるので探してみてくださいね。
遺跡内は立ち入り禁止の場所もあるので注意。
脆くなっている部分もあるので、進入禁止のところには決して立ち入らないようにしてくださいね。
石の上を常に歩くことになるので、観光の際には歩きやすい靴があると良いかもしれません。
サンダルなどで訪れる人もいますが、石によっては滑って転んでしまうこともあるので十分にご注意を。
古代のエンターテイメント!
ここは収容人数約2万を誇る巨大円形劇場。
山の斜面を削って作られた劇場となっており、古代ローマ帝国ではこれに酷似した劇場が各地で作られたとの歴史があります。
ここは大衆が音楽や演劇を楽しむ場だったと考えられています。
ステージから放射状に広がる座席は精巧に作られており、その美しさにも目を奪われてしまうこと間違いなし。
離れてみてもその存在感は圧巻!
さすがはエフェソス遺跡の大劇場。
この規模のものを作るのにどれくらいの年月がかかったのかと想像すると、それだけでも頭がくらっとしてしまいますね。
エンターテイメントと言えるものがない時代、大衆の楽しみといえばこの大劇場に通うことだったのかも……いや、ある意味では図書館に通う方がワクワクテカテカしていたかもしれませんけどね!笑
世界遺産エフェソス遺跡、そこは古代ローマ帝国の生活を覗くことができる場所。
遺跡周辺には世界の七不思議の1つ、アルテミス神殿の跡地もあるので、時間がある方はそちらもぜひ!
イスタンブールからの行き方であれば、まずはエフェソス遺跡最寄りの町セルチュクに向かう必要があります。
空路でイズミルのアドナンメンデレス空港に飛んでから交通機関で向かい、そこからバスでエフェソス遺跡に行くのがマストです。
ただ、イスタンブールからもバスは出ているので、そこはご自由に!
現地ツアーも豊富ですが、日本からの出発であればツアーに参加してしまうというのが楽なので個人的におすすめです。
4.甘くとろけるさくらんぼ!パムッカレのホテルに宿泊
うまぁあぁぁああぁ!
世界遺産エフェソス遺跡を堪能した後は、世界遺産ヒエラポリス遺跡とパムッカレに向かいます……とは言っても今日は観光せずにホテルでゆっくりするだけですけどね。
流れるトルコの田舎の風景がまた素敵。
景色に見惚れているとガイドがさくらんぼを持ってきてくれた。
なんでもトルコのさくらんぼは甘くてとろけるような美味しさなのだとか。
ちゃんと熟れてる……いただきます!
完熟のさくらんぼを頬張ると口の中で果汁が大噴出。
……んんぅ!これは美味しい!
やってきたのは今夜の宿、温泉とプールが常設されたパムサーマルホテル(Pam Thermal Hotel)というリゾートホテル。
デニズリのカラハユットという温泉街にある山岳リゾートのようなホテルで雰囲気も抜群。
バーやラウンジの他、ジムやスパまで完備。
サウナもあってかなり気の利いたホテルですね。
多言語対応スタッフもいるので、日本語が通じることもあります。
陰るプールサイドでアルコールなんてのも乙。
……と思っていたものの身体が思っている以上に疲労困憊。
ここは眺めるだけにしましょう。
……ふぅ!炎天下で遺跡を歩き回りエネルギー切れ。
遺跡観光の興奮で疲れを忘れていたけれど、部屋に入って集中が切れると完全に電源オフモード。
ホテルの部屋はかなり良い感じのムード。
リフォームしたばかりの部屋だったので、清潔感もあって安心感もあってエアコンもばっちり。
Wi-Fiもしっかり繋がるので安心ですね。
火照った身体にビールが最高!
トルコでビールを飲むならエフェスで決まり。
炎天下で燃え尽きた身体にエフェスが染み込む。
全身がパチパチと躍動するくらいキンキンなビールに思わず声が漏れる!
このホテルのビュッフェは美味しい。
トルコのホテルで連日ビュッフェを食べているわけですが、このホテルのビュッフェはその中でも一番かもしれません。
手前のこんがりチーズとマッシュポテトが最高。
……夕食を食べたら元気が出てきたぞ!
そうだ、アレやっちゃおうかな。
うん、せっかくの海外旅行なんだしやっちゃおう。
4.温泉の香り漂う町!夜の怪しい市場に潜入
とろけたおばけかぼちゃ温泉!
……そう、アレとは街歩きのこと。
海外旅行の楽しみといえば散策ですよね。
添乗員付きの周遊ツアーだと時間もないため、空いている時間があればすかさず街歩きへ出かけてしまうのがおすすめです。
そんなこんなで夕焼けに染まる温泉街をゆっくりと歩いていると、そこには大きな大きなモスクがあっ……待って!
とろけたおばけかぼちゃが現れたよ!笑
ぶよぶよしていて気持ち悪いけれど……。
よく見たらこれ温泉だ、温泉が湧き出てる。
言わずと知れたパムッカレはトルコ有数の温泉保養地。
実はこんな奇妙奇天烈な光景も珍しくないそうな。
香ばしい匂いに誘われて……!
街歩きをしていると何やら鼻をくすぐる香り。
覗いてみるとジューシーに焼かれたの肉料理が誘惑してくる!
こんなに美味しそうな肉料理があるのなら、ホテルのビュッフェ食べずに街歩きをすれば良かったかもしれませんね。
店のおばちゃんが「食べてく?」って聞くんだけど満腹。
空腹ならこの肉、3つは食べられるのに!笑
モスクの近くではアート作品の販売も!
クオリティが半端じゃないのでお土産にも最適。
値段は聞かなかったけれど、そこまで高くはないと思います。
ちなみにこちらはイスタンブールの乙女の塔ですね。
トルコの国旗が背景なんてセンス抜群。
ただ、イスタンブール観光はもう少し先なので、リアルな乙女の塔を見るまでは楽しみにとっておきましょう!
ボエェエエェエェェェェ!
トルコはイスラム教の国ということもあり、祈りをするためのモスクが街のいたるところにあります。
祈りの時間になると「ボエエエエ」という音が鳴る。
それを聞いて信者の方が集まってきます!
さすがに部外者が立ち寄るのは失礼にあたると思っていたのですが、信者曰く「今は祈りの時間だから30分後にまた来てね」とのこと。
なんだか良い意味でイメージと全然違い、とても優しい人ばかり。
偏向報道でイスラム教に対して怖いイメージを持っている人も多いと思いますが、大半の人は優しい人たちばかりです。
大半のムスリムは心優しく、テロや犯罪など起こしません。
こういうのも自分で旅をして実際に体験しないことには本当の姿が見えてこないのかもしれませんね。
怪しい雰囲気の市場に潜入!
……とは言ったものの普通の田舎町の市場という雰囲気。
カラハユットはパムッカレ観光で滞在する人も多いので、こういう市場で日用品を購入しておくというのも良いかもしれませんね。
観光とはまた違った雰囲気があってディープ。
僕ものんびりと歩きながら、この静かな夜の熱気に浸かりたいと思います……いや、温泉に浸かりたい!笑
ホテルに戻ってゆっくりと温泉でも楽しみましょうかねぇ。
今日観光した世界遺産エフェソス遺跡は、古代遺跡が好きな人にとってはたまらない場所でした。
ぜひぜひ歴史を勉強しながら観光するのがおすすめです。
知らないことが多くてももちろん楽しめますけどね!
まだまだ夢のようなトルコの旅は終わらない。
海外旅行がこんなにも楽しいものなのだと再認識。
トルコは旅の楽しさを思う存分教えてくれる国。
まとめ
トルコ4日目は映画「テルマエ・ロマエ」の世界を歩くことができる世界遺産エフェソス遺跡を満喫した1日!
古代ローマ帝国のトイレは衝撃だった。
図書館と娼婦の館を繋ぐ秘密の通路は羨ま……けしからん!笑
炎天下の中、温泉のような湯気を出しながらタイムスリップ。
世界遺産を多く持つトルコはどのエリアも観光に最適。
まさに観光大国の名に恥じない国ですね。
明日は綿の城と呼ばれる世界遺産パムッカレを観光。
このトルコ旅行の目的はこのためにあった!
それと合わせてヒエラポリス遺跡も見学。
しかし、そこで待っていたのは写真で見た絶景ではなく……?!